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zoom RSS ジブリ作品/アズールとアスマール

<<   作成日時 : 2008/03/07 23:48   >>

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<ストーリー>
幼い頃、アラビア人の乳母から聞いた子守歌を頼りに、ジンの妖精を探すため、遠く海を渡ったアズール。
しかし、やっとたどりついた憧れの地は、“青い瞳は呪われている”とされる国でした。
文化も人種も異なるその異国で、盲人のふりをして旅を続けるアズール。
それは、瞳の色を隠すためだけでなく、受け入れられない異文化に対し、自ら心を閉ざした証でもありました。
やがて、大好きな乳母ジェナヌと、兄弟のように育った乳母の子アスマールと再会。
今や裕福な生活を送るアスマールと“呪われた青い瞳”を持つアズールは、対立し合いながら、それぞれジンの妖精を探しに旅立ちます。



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三鷹の森ジブリ美術館が贈る、フランスのアニメーション作品。
監督は、フランスのアニメーション作家、ミッシェル・オズロ
声優には、『ゆれる』の実力派俳優、香川照之がチャレンジしています。


<印象的なセリフ>
「お前の国は、ここだ。ここで、生まれたんだ!」
「でも、僕の国じゃない」
「お前の国だ!」
「違うね」

「馬が僕に逆らったんだ」
「人を怨む前に、わが身を怨め。馬の行儀が悪いのは、決して、馬のせいではない。乗り手が悪いのだ」

「口を慎まぬと、罰するぞ」
「罰せずに、助けて下さい」

「でも、行かなきゃ。勇気だせ」

「この国は醜い。もう、目をあける気はない。今日から僕は盲人だ」

「でも、一人だと発見がある」

「青い目の迷信のことね。いいですか。私は、2つの国を、2つの宗教を、つまり、人の倍、物事を知っています。人々が青い目や黒猫に戸惑っている間に私は、頑張り、勝つのです。私の前で、そんな迷信は口にさせません」

「いつから、目を隠しているのだね」
「20年前から。ねぇ、ここでは、僕の青い目を受け入れてくれた。メガネを外したら?」
「それは無理だ。おぬしは、今では、金持ちのボンボン。おいらは、物乞い。街の人が頼りだ。
召使に知れてみろ。すぐに、街中、噂さ」
「お前を かくまいましょう」
「それは、嫌だ。悪口は言っても、この街が好きでね。軽蔑されようが、罵られようが、おいらは、皆を笑わせたりして、施しをもらいながら生きていくのさ」

「悲しみに負けては、いられません。今度は生きて役に立たなくては」

「大事なのは、あなたが勇敢さを保ち続けること」

「心配は、お前が悪いかではない。お前に悪いことが起きないかなの」

「知るものですか。血の色は、どちらも同じよ」

「困難は承知の上だ。僕の意志は、ますます、かたい」

「この方が、もっといいわね」
「そう、これこそ、未来への答え」


オープニングから目を奪われるエキゾチックなキャラクターと目が覚めるような美しい色彩の数々。
さすがは、大人の国、フランスだけあって、ファンタジー作品も、どこか大人びています。



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<コーヒーブレイク>
かつて、栄華を極めた中世イスラム。特に北アフリカのマグレブ地方(現在のモロッコ・チュニジア・アルジェリア)を舞台に、「キリクと魔女」でフランスアニメーション界、最大のヒットを記録したミッシェル・オスロ監督が描く少年の自立と成長と融和の物語です。

オスロ監督、特有のエキゾチックな色彩美と装飾的な絵画スタイルに加え、3DCGによる人物描写を見事に融合したところが最大の特徴です。
冷静でリズミカルな場面展開の中には、様々な対比が仕掛けられており、何度、観ても新たな発見を楽しむことができます。
また、アフリカで育ったオスロ監督が「未知の国へ辿り着いたアズールの異文化の感覚を同じように体験できるように」という試みから、映画の中で語られるアラビア語には、いっさい字幕も吹替も許されていません。


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日本では、「火垂るの墓」「平成狸合戦ぽんぽこ」「ホーホケキョとなりの山田くん」の高畑勲監督が、「キリクと魔女」に引き続き日本語版監修・翻訳・演出を行いました。
アラビア語はオリジナルの音声を生かして、フランス語の部分だけを日本語に吹替えるという非常に困難な作業のほか、両言を話す登場人物の場合、キャストたちは、限りなく、オリジナルの声優に近い演技をするだけではなく、その声質や発声方法までも揃えなくてはならないので、制約の多い難しいアフレコになったようです。


ここで、オスロ監督のインタビューをピックアップしてみましょう

国や人種の違いによってお互いに憎み合い―そのように育てられたわけですが―争ってしまう人々。
片や、それぞれ人種の違いや周囲の反対にかかわらず、互いに尊敬し仲良くできる個人のお話。
そこに一番、関心があります。
現代では、国どうしの戦争ではなく、人々の根深い憎しみが日常的にありました。
古い人間と新しい人間との確執や、また西洋と中東の間に起こる争いなどです。
そこに、私のテーマがあったのです!
厳しい現実をおとぎ話の形で表現するのです。
争いの元には、嘆かわしくまた腹立たしいことに、人工的に作り上げられた誤解があります。

「最初にアイデアがあって、それに続いて映画の世界観というものが出来上がった、という順番なのですね?」
 
はい、現代的なもの道徳的なものを作りたいという気持ちが先にあり、北アフリカのマグレブやイスラムの文化といった背景は後から来ました。
とはいえ、広大な地域に広がっていた中世のイスラムの輝かしい文明は、以前からずっと素晴らしいと思っていました。
背景や衣装にその要素をふんだんに使いました。またその他アンダルシアからトルコ、ペルシャまで、気に入った要素はいろいろと取り入れました。

「制作期間の仕事について、詳しく教えていただけますか?」
 
まずコンセプトです。
アズールとアスマールの場合、フランスとマグレブの関係について考えるところから始まり、生まれた環境が全く違う乳飲み兄弟の話で、金持ちと貧乏人の子供という設定を思いつきました。
それからお話しの途中で、この兄弟の立場を逆転させようと考えました。
その後は、膨大な資料集めとデッサンの仕事です。
舞台設定に関しては、地理的にも歴史的にも正確を期すことを念頭におきながら、しかし宗教の理由で古代から16世紀までの間マグレブの世界を描いた絵がありませんでしたので、スタッフたちと想像力を働かせることもしました。
そして、絵コンテ、背景、アニメーション、ポストプロダクションと続きます。

「ジンの妖精や真紅のライオン、サイムール鳥などのアイディアはどこからきているのですか?」

「アズールとアスマール」は全くのオリジナルで、下敷きになっている話はありません。
ジンの妖精は私の創作ですし、青い爪を持った真紅のライオンもそうです。
ジンの妖精については、曖昧な表現でしかなかった存在を具体的に絵にしたところが私の創作です。
ですがサイムールに関しては、ペルシャの話に出てくる伝説の鳥からもってきました。
人間を運ぶこともできれば、また食べてしまうこともできる巨大な鳥の話は古くからいろいろな話に出てきます。

「背景には歴史的建築物からもヒントを得ましたか?」

はい、最後のシーンではイスタンブールに数ある大きなモスクをモデルにしました。
このモスクの建築には、キリスト教の神聖な場所でもある聖ソフィア聖堂の影響もみられます。
いろいろなものが混在し支え合っている、これは映画のメッセージとも合致します。


「イスラム圏では、神の創造物を具現化してはいけないという制約があるなか、どのようにして参考にする意匠を集めたのですか?」

実際、マグレブ・アンダルシアの資料があるのは例外的で、両手で数えられるくらいしかありませんでした。
話の設定は中世なので、時代考証では少しズルをしてしまいました。
ですが、地理的なところではズルを最低限におさえ、ジェナヌが力のある商人になり、影響力のある人物となったくだりで説明がつくようにしました。
ジェナヌの商船やキャラバンは世界中をめぐるので、彼女は息子にイスファハンの最新モードの衣装も与えてやることができるのです。
とはいえ一番大事なことは美しいこと!それにつきます。



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           あなたにとっての「青い目」はなんですか?


エキゾチックで上品な作品なので、どうしても彼女と観たくて、一緒に鑑賞しました。
本作では、フランスにおけるイスラム移民差別の問題をフランス人にも受け入れてもらいたいという趣旨があったのか、青い目の白人であるアズールが、アラブの国で差別を受けるという、現代社会とは正反対の世界が描かれている点に、まず、驚かされました。

自分には、生きていくために美しい青い目をメガネで隠さなければならないクラプーの気持ちが、よく、判ります。
きっと、「青い目」は、誰しもが持っている「人と異なった部分」の象徴なんではないかな…と思いました。
人は、自分と異なるものと出会った時、理解しようとする前に、無意識に排除しようとする傾向にあることを知っているので、隠すことは自己防衛の手段の1つなのでしょう。

アズールも、また、1度は目を閉じて、心を閉ざしますが、ジェナヌをはじめ、物乞いのクラプー、シャムスサバ姫、賢者ヤドアなど、異国の文化や言語の中で逞しく生きている、個性的で魅力溢れる人々との交流を重ねていくうちに、この国の本当の美しさを発見し、「目をひらいて良かった」と言っています。
良き出会いこそ、「人と異なった部分」(偏見)を乗り越えるための第一歩になるのだと、改めて気付かされました。



                   おススメ度★★★★☆



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